ビッグ・バンドをバックに、ハスキー・ヴォイスが炸裂。絶頂期アニタ・オデイの溢れんばかりの魅力を完全パッケージしたヴォーカル・アルバムの聖典。 (C)RS

`JAZZ THE BEST`シリーズの第1回発売分(全100タイトル)。アニタ・オデイによる、1955年録音盤。 (C)RS

 ・ amazon : This Is Anita (1955) / ジス・イズ・アニタ

アニタ・オデイ、1955年の録音で発足したてのヴァーヴ・レコードのシリーズでの一作目となる。バックのオーケストラは女性歌手の演奏にたけているバディ・ブレグマン。歌唱は独特なリズム感とビブラートなど彼女にしか表現できないユニークさが特色といえる。したたかで意志の強いアメリカ女性独特のツッパリさが凄く気に入っている。(青木高見)

 ・ Spotify : Anita O’Day : This Is Anita (1955) / ジス・イズ・アニタ

究極のヘタウマこそ唯一無二の個性であり、どんなテクニックや能力的に優れたモノにも勝り、1つのスタイルを確立してしまうということは、音楽の世界ではよく起こりうる現実である。
アニタ・オデイという女性もまた、そうした特別な才能をもったヴォーカリストだったのであろう。本作を聴くかぎり、とりたてて声量があるわけではないし、正直なところ決して安定した歌唱力とも言い難い。しかし、か細いハスキーヴォイスで、苦しそうに(ブレスの位置も一定でない)しかもフラット気味に歌い上げる彼女のヴォーカルに、不思議とひかれてしまうのは、筆者だけではないはずである。自分の欠点を持ち味として、魅力に変えてしまう、彼女はまさに、そんなアーティストとしての素養をもっているのであろう。
声楽にきちんと取り組んだ人にすれば、デタラメなのだろうが、絶対に真似のできないのも事実だろう。彼女が自分をよく知っていたのか、その才能を見抜く人物がいたのか計り知れないが。(高山武樹)

ディスク:1
1. ユーアー・ザ・トップ
2. ハニーサックル・ローズ
3. バークリー・スクウェアのナイチンゲール
4. フー・ケアズ
5. 言い出しかねて
6. ファイン・アンド・ダンディ
7. アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ
8. 月とてもなく
9. タイム・アフター・タイム
10. アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリームズ
11. ほれっぽいの
12. ビューティフル・ラヴ